病害虫防除に対する考え

梨栽培、果樹栽培においての農薬散布は不可欠なものとなっています。一般的にどんな果樹農家も研究指導機関の作成した防除暦の通りの農薬散布をしています。通常はこの防除暦通りに散布すれば、病害虫の被害を最小限で済ますことができるというものです。

 

すぎの梨園では薬剤の残効期間降雨のタイミングから殺菌剤を減らし、天敵の棲みやすい環境づくりや微生物農薬など有機JAS認証でも使用可能な農薬を活用しながら殺虫剤を減らしてきました。しかしながらすべてをなくすことはできませんので、これからも一部は化学農薬を用いながら、さらに減農薬栽培に取り組んでいきます。

 

近年の健康志向やマスメディアの影響により、「農薬=いけないもの、毒、危険」という認識が高まってきています。特にネットの中では声の大きい人があり得もしない農薬の危険性をSNS等ソーシャルメディアを通して発信し、それが正しい(かもしれない)情報として機能してしまっている現状があります。

このホームページを制作するにあたって多くの農園のホームページを見みましたが、農薬について記されているページは非常に少ないように感じました。反対に無農薬の農園や有機栽培の農園では、「無農薬」「農薬=悪」という情報を大々的に記されているものが数多く見られました。「農薬は危険だ」と言われると「農薬は安全だ」と農家は口をそろえて言いますが、ホームページ上にその情報を載せないということは、農家自身もまだ農薬についてどこか後ろめたさがある人が多いのかもしれません。

 

農薬はメーカーが多額の費用と月日をかけ開発され、「農薬取締法」に基づき登録されています。登録されるためには30項目以上の毒性に関する試験をクリアしなければなりません。また「農薬取締法」に基づいた「農薬安全使用基準」の設定と、さらには「食品衛生法」による「残留農薬基準」が設定されます。残留農薬基準は人がその農薬を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、現在の科学的知見から判断して健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量(一日摂取許容量=ADI)、人がその農薬を24時間またはそれより短い時間経口摂取した場合に健康に悪影響を示さないとされる一日当たりの摂取量(急性参照用量=ARfD)が設定され安全性は保たれています。

 

このように農薬の安全性は保たれていますが、すぎの梨園では殺菌剤・殺虫剤を千葉県の農薬化学成分の基準の半分以下に抑え、農薬の使用回数を減らす努力を続けています。ある特定の農薬を使用し続けることによりその農薬に対して抵抗性をもった病害虫がでてきてしまいます。そうなった場合、その農薬は効果がなくなり、より新しい高価な農薬を使用しなくてはならなくなってしまいます。現実問題、高価な農薬を何度も使用すれば金銭的負担と農薬の原液を扱う散布作業は身体的負担も大きくなってしまうものですから。経費削減と環境への負荷を減らすためでありますが、やはり「やりがい」と「こだわり」があるからです。農薬化学成分を基準の半分以下にするために毎年どういう散布体系にしようか悩みます。この微生物農薬はどうなのか?あの新しい農薬はどうなのか?有効成分はなんなのか?悩みぬいた末に散布体系が決まった時はまるでバラバラになったパズルを完成させたときのようです。さらには平成16年度より毎年取得している「ちばエコ農産物認証」は千葉県内梨栽培において指で数えられるくらいしかいません。この認証を取得し続けることにやはり「こだわり」があります。

ちばエコ農産物認証について

平成14年度に千葉県が、環境にやさしい持続可能な農業の推進と消費者へ安心・安全な農産物を提供することを目的に「ちばエコ農産物」推進事業を始めました。ちばエコ農産物とは化学合成農薬と化学肥料を通常の半分以下に減らして栽培された特別栽培農産物のことです。

 

すぎの梨園では平成16年度に認証を受け、以来毎年認証基準をクリアし続けています。

認証番号 02A0571001

ちばエコ農業情報ステーションで栽培情報が開示されています。

 

エコファーマー認定について

エコファーマー認定は平成11年度に制定されました。持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律に基づき、土づくり、化学肥料・化学合成農薬の使用低減に一体的に取り組む計画(目標達成年度を原則として5年後とする)について、県知事の認定を受けた農業者を言います。

 

柏市果樹組合では全梨農家がエコファーマー認証を取得しています。